[本] 老人と宇宙



最近、なんだかラノベでおもしろいのないよなあと思いつつ手に取ったSF小説。
ジョン・スコルジー氏の作品です。

ヒューゴー賞までとはいきませんでしたが、登竜門たる、キャンベル賞を受賞してます。
中身は、ハインラインの「宇宙の戦士」なんですけれども。

個人的に気に入ったのは、翻訳の質です。
普通、翻訳物は引っかかる事が多いのですが、ざっと流して読んだ限りにおいて、翻訳で首をひねるような箇所ってあまりなかったです。
おかげさまで、ずんずん読み進める事ができて、よろしい。

「老人と宇宙」
七五歳を迎えたアメリカ人ジョン・ペリーがコロニー連合の兵士として生まれ変わり、激戦を戦う。
本書の半分は、訓練に費やされてしまいます。
が、それも世界観を知るために重要な一歩で、ガジェットがすばらしい。
スーパー兵士に生まれ変わるわけですが、緑の肌、強化された肉体、頭の中にコンピュータ、あまつさえ、顔も美人になっているという。
過酷な訓練を費やして、人ではないことを覚え、戦場にかり出される。
その課程で、仲間を見つけ、戦うのです。

そして、妻の影が――

ガジェットだけではなく、ストーリーテラーとしてもいい感じです。
やあ、死亡率がもう少し低ければ、わたしゃ今すぐコロニー連合の兵士に生まれ変わっていいですよ、ホント。


「遠すぎた星」
今度はジョン・ペリーは出てきません。
前作でジョンと絆を深めたジェーン・セーガンは出てきますが。

代って、裏切り者の天才学者であるブーティンのクローンにして特殊部隊兵士のジェレド・ディラックを主人公に据え、今度は老人と宇宙でほのめかされた「ゴースト部隊」の内実に迫る話です。

例によって前半は訓練シーンで終わりますが、後半からはコロニー連合が戦う銀河の様子がよく描かれています。前巻では宇宙人は出てきても、端役の扱いでしたからねえ。
殺されるために出てくるようなものでして。

今回はちゃんとした人格のある好敵手として出てきます。

なぜ、ブーティンはコロニー連合を裏切ったのか。コロニー連合はどうやって人類のコロニーを支配しているのか。
その辺の謎が鍵です。

そして、全宇宙規模の外交戦が舞台裏では繰り広げられて。。
最後の最後までスリリングです。


「最後の星戦」
いや、これはタイトル違うだろ。The Last Colonyだから、最後のコロニーでしょ。
読むと、大規模な戦争はともかく、ゴタゴタはありそうな感じですし。

それより、アレレと思ったのは、表紙。ジェーンの隣にいる緑色の男は誰だ?

結局、ジョン・ペリーは緑色に復帰しなかったし、妻にして元特殊部隊のジェーンも緑色にならなかったんだが。
なので、アレレという感じ。

話は退役して街のお役人様をやっているジョン・ペリーとジェーン・セーガンの元に、前の上司がやってきて、「新しく作るコロニーのリーダーにならないか」と持ちかけてくる所から始まります。

そこから新しい星へ移動して、未開の地でコロニーを作る。
その制限がすばらしい。政治的理由から最先端の機器が使えない。奮闘する植民者たち。
しかし、土着生物が彼らを襲う。

後半は星系間政治が主役になってきます。
そして、ついにコロニー連合の独占が、ジョンの手によって崩されていく。

やあ、ここまで書いちゃうと次はないですね。
実際、四作目は娘のゾーイの物語ですし。

なかなかおもしろい一作でした。


この作品群のおもしろい所というのは、遺伝子改良されたスーパーな兵士たちが味方である、という所でしょうか。
これまでのSFだとそういうのは反逆して人類にフルボッコされるのですが、そうはなっていない。
個人的に好きな展開です。

ついでに、宇宙人がそれなりに特徴があって、けれど、それを全面に出していないという事でしょうか。ギミック万歳というものではない。
けれど、ディラックの最後のシーンなどのようにうまくしかけは織り込んでいるわけです。

そういう所で、見事だなあ、と。


後、特殊部隊の体に戻ったジェーンとジョンの子供は遺伝的にどうなんでしょうかね。
すごく気になります。
フツーの人間だったら、がっかりのような。それでいいような。
というか、ジェーンに子育てできるのか?彼女、まだ一〇数歳じゃなかったっけ。アレ?年の差六〇才夫婦?w

あー、妊娠したのがこのタイミングってのは、妊娠させちゃうとポルノ条例に引っかかるからですか?
退役した直後だと、まだ生まれて一〇才ですからねえ。



ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

2009年06月28日 21:53
初めまして!
遊びに来ました!
これからヨロシクお願いしま~す

この記事へのトラックバック