[本] はじめての課長の教科書



 某書評ブログで絶賛されていた本。
 確かに、されるだけあると思った。

 内容は題名通りに、課長は何をすべきかという事を書いた本だが、そのためには課長とは何かを語らなければならない。
 この本では、予算の権限と執行を行う最小単位としている。大体7人~20人程度のチームを率いて予算を達成するわけだが、現場の情報と経営の情報の双方がもっとも集まる立場であり、多くのサラリーマンにとって最終的に得られる「あがり」の役職という非常に特異な職種である、と述べてる。
 この指摘にはうなずく所が多く、何より学術的な正確さを求めず、現実をふまえている所も心強い。

 私は課長ではないが、そうでない人が読んでも非常に色々な知見が得られる。つまり、課長は何を期待しているのかという点であり、課長の事情がよくわかるのだ。
 背景がわかれば、こちらも対応がやりやすくなる。
 その方がお互いにとって幸せになれる。
 そういう哲学で書かれているからこそ、おもしろいのだが毒がある。

 たとえば、社内政治のくだりなどはまさにそうだ。それを「否定するなんてナイーブ」と言い切る所は読者を選ぶであろう。
 人事評価では出来るだけ高得点をつけてやれ、というくだりもそうである。部下の側からしてみれば、まさにその通りだ。ちょっとでも点数を減らされると、部下は本当に落ち込み、やる気をなくすのだ。
 私は評価を聞いて落ち込むのが嫌なので、人事評定は見ない事にしている。そんなモノを見て落ち込んだら、仕事が出来なくなり、ますます評価が下がるだろう? そういう意味で上司は部下の評価を出来るだけもぎ取る必要があるのだ。
 そして人脈を駆使して、権威づけをする必要がある。
 課長って面倒だね。
 その分、給料もらってるから、がんばってくれと言いたい。まあ、私はどうかと言われると、近い将来に課長になる予定がまったくないし、未来日記が会ったとしても課長になるという事は書かないので、最終的には主任か係長で社会人人生を終えるだろう。

 私のような、ダメ部下に対する処方箋も書かれている。
 課長の仕事の第一は部下のやる気を保つ事であり、ダメ部下を使いこなす事にある。
 私のようなダメ部下にも、仕事を与えるのが課長の仕事だ。だから、出来る仕事をくださいと言いたい。
 ついでに言えば、部下がなぜ会社を辞めるのかの理由も書かれている。この辺はリクルートのデータを使って書かれており、人間関係が主であること、本当に優秀な奴はおもしろい仕事が今後出来ないと絶望して辞めていくことが書かれてる。まあ、おもしろい仕事うんぬんはごくごく一部であると思うけれど。

 さて最後に話を最初にもどして、課長についての考察の話だが、「はじめての」なのだろうか、と多少思った。
 この本でも何回か出てくるが、野中郁次郎氏によってミドル層の重要性は指摘されて久しいが、本当なのだろうか?と。
 ・・・おおう、Amazonで調べたら確かにそうだ。って、部長用のも少ないですねえ。以外だった。

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この記事へのコメント

酒井穣
2008年04月07日 04:16
はじめまして。ご紹介いただいた本書『はじめての課長の教科書』の著者です。まずは本書のお買い上げ、ありがとうございました。また、嬉しいコメントの数々をありがとうございます。

おっしゃるとおり、本書は課長をテーマとはしているものの、課長以外の方にも、課長の考えていることを理解して、お互いに幸せに仕事ができるようになるという視点から読んでいただけると、本書の応用範囲が広がるように思います。

そして毒がありますね(笑)。僕としては、できるかぎり、現実の世界で利用できるものを書きたかったので、いわゆる理想主義的な「べき論」は避けたかったのです。

また遊びに来ます。今後とも、よろしくお願い致します。
2008年04月12日 23:35
うわ、筆者殿からコメントを頂けるとは光栄です。週末に読んだ本のメモにしか使わないので、コメントが遅れて申し訳ないです。
筆者殿には次回作も期待していますので、是非おもしろい本にしてください。

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