|
red Eyes 11 (11) (講談社コミックスデラックス) 神堂潤による、月マガ増刊に連載の血まみれどろどろの戦争漫画。 舞台は近未来の東欧らしい。ドラグノフ連邦とレギウム共和国の戦争が佳境を迎えていた。 レギウム共和国の部隊ジャッカル、その隊長グラハルト・ミルズ大尉は戦場で死神(ジェノサイド)と呼ばれるほどの実力の持ち主で、彼はSAAと呼ばれる外骨格強化武装を着込み、戦車部隊を一人でたたきのめし、部下たちも一騎当千だった。 だが、ある日の作戦で彼はいつものように単独行動を行い、獅子奮迅の活躍を見せている時、部下のクレイズが守るべき味方を殺し、そしてその罪を上官のミルズに擦り付けた。しかも、こともあろうにクレイズはほかの部下たちと結託し、ミルズをその場で反逆罪で拘束するのだった。 そして戦闘が終わるとき、ドラグノフ軍の秘密兵器が火を噴き、首都は多大な被害が出た。新兵器は首都に住む人々の心を打ち砕いたのである。 ミルズ大尉は拘束され、そして復讐の物語が始まった。 前々から月間マガジン増刊で連載されており、気にはなっていたんですよ。 それでついに漫画喫茶で見つけて読んでみました。 すばらしい。復讐譚というのはドラマチックなのですが、この漫画はそれだけに終わらない。 まず主人公のミルズがいい。無敵の強さ。冷酷なジェノサイド。しかし、仲間を裏切らない強さを持っている。 敵役にして、ミルズの元部下のクレイズ。悪役はこうではなくてはいけない、という例そのもの。どこまでも冷酷で、かつ計算高い。カッコイイ敵役というやつです。ただ、登場当初ではまた悪の親玉という形ではなく、まだ野心ある二枚目敵役なんですけれどね。 序盤のヒロインである?サヤ。餌ですね、これは。序盤でミルズの人間性を引き出すための小道具だけかと思っていましたが。三巻では初人殺し。ミルズもひでえなあーと思いますが、その後立ち位置を変えつつ、現在刊行中の11巻までちゃんと生き残っています。癒される、というほどではないですが、ちゃんと利己的な所があって、ただのシナリオのための小道具じゃないところがいいなあと。 ほかにもクレイズに心酔するレイラや、SAA開発者の変人ハワード少佐、軍略の天才リーダズ大佐、予想通り無能のあつまりのデヴィアンたち。 と、人物の描写もすばらしのですが、ミルズがクレイズへの復讐のため元ジャッカルの面子を集めていく所はまさに話の王道。しかも、戦争ものであるため、戦ってナンボ。つくりとしてうまいなあと。 もちろん、それを支えるための重厚な設定も見逃せません。近未来?の兵器が出てくるんですが、ただ日常生活がぜんぜん変わっていない。雰囲気としては、1960年代の都市化に五〇年後の外骨格やら戦車部隊がまじっているような感じです。漫画で描写されているのが、欧州の町並みだからそんな風におもってしまうのかもしれませんが。 絵の話にうつると、人物はよく書き分けられていると思います。戦争ものということで、大量に人が出てくるんですが、ちょっと硬質な感じの線で男も女もちゃんと表情がある。年輪を感じさせる部分がある。 筋肉質でスレンダーな男のかっこよさといったらありません。 さらには、軍服や戦車、装備にはほんとうに気を配っていますね。マニアだ、こりゃ。 アクションの動きも見事で、ここまで高いレベルですべてをかねそろえているというのはなかなかない事ではないかと。 先にPEACEMAKERの皆川亮二の話をしましたが、彼に匹敵するでしょう。線の崩れが少ないので、絵だけみればこちらの方が好きになる人がおおいんじゃないかな。 ただ、戦争ものなので顔が飛んだり、腸がはみ出たり、腕がちぎれたりと、すぷらったな所があり、それも書いてのけるので、この漫画自体がアクがつよいともいえますが。 一点だけいえば、ギャグシーンがまったくない事ですかね。 最初から最後までずーっとマジメなまま進むので、息抜きがないとだめな人むけではありません。 さて、11巻まで読んだわけですが、その頃にはミルズ大尉の過去話をはさんで、レギウム共和国奪還の話になってきています。 クレイズの陰謀もますます冴え渡り、若干敵がインフレしている懸念もありますが、まさにクライマックスが始まった所。 一五巻か二〇巻には完結していることでしょう。 先が非常に楽しみな漫画です。
|
| << 前記事(2008/02/08) | トップへ | 後記事(2008/02/09)>> |
| タイトル (本文) | ブログ名/日時 |
|---|---|
[雑記] 今年のよさげげな記事
今年も残すこと数日となりましたけれど、今年も結構本を読みました。 まあ、そのほとんどがラノベばっかりですが。 ...続きを見る |
たまには呪文を唱えてみるか 2008/12/29 22:11 |
| 内 容 | ニックネーム/日時 |
|---|
| << 前記事(2008/02/08) | トップへ | 後記事(2008/02/09)>> |